「男尊女卑思想」とは男性を重んじ、女性を見くだす思想
日本にはいまだに「男尊女卑思想」が根付いています。しかし、ウーマンパワーに押されたり、労働基準局が雇用機会均等法を重視し始めたりしている都会では目立ちません。
一方、田舎では、まだまだパワハラがまかり通っているようです。
2018年スイスで開かれた「世界経済フォーラム」で「男女格差報告」が発表されました。その発表によると、日本は110位。日米欧の先進七カ国(G7)では最下位でした。
なんと、厳しいカースト制が残るインド(108位)より「男女格差が激しい」とされたんです。
男尊女卑は昔の話ではありません。都会でも感じられますが、田舎に行くとさらに実感度は増すでしょう。
では、「男性を重んじ、女性を見くだす思想」は、いつから始まったのでしょうか?
日本の男尊女卑はいつから根付いた?
武家社会になってからの
男尊女卑思想
太古は女性優位だった日本
狩猟や採取で生活をしていた縄文時代では、女性が優位に立っていました。
それは、狩猟担当の男性陣が獲物を取ってくる確率が低かったため。木の実や果物を採取して保存する能力のある女性は、男性より地位が高かったのです。
邪馬台国の時代でも、多くの小国をまとめ上げ、統一したのは女性である卑弥呼です。
彼女の言葉は神のお告げといわれていますが、情勢を観察・読み・考察した結果、導き出された指針だったのかもしれません。神の言葉として伝たほうが、一般民衆に浸透しやすかったのでしょう。誰もが従いやすくなる術を、彼女は知っていたんですね。
経済が男性中心に回り始める
そして武家社会になると、合戦に参加した男性陣へ俸禄が与えられ、経済は男性中心に回るようになります。
その頃、中国から入ってきた儒教の「女は男に劣り、従うべき存在」という思想もタイミングよく重なり、男尊女卑思想へと傾いていったのです。
さらに、奈良時代に成立された日本書紀では
イザナミ(女神)から声をかけて交わったときに
産まれた子が「水蛭子(ひるこ)」とよばれる出来損ないの子。
イザナギ(男神)から声をかけて交わると、日本の土台となる島が生まれた。
とあります。
男性は地位を上げようと、経済の管理や思想の普及をして歴史書の作成など、都合のいいものを取り入れ発信していきました。
男性を敬わせるためにとられた作戦は、女性を下に見ること。卑下し差別をしたのです。癪ですが、その結果は大成功でしたね。
男尊女卑を感じる瞬間1:冠婚葬祭では女性は裏方
何もしない男たちに
うんざり……
年末年始は夫の実家へ。
男衆は座って酒を飲み、女性陣は台所仕事。お酌を強要されるお嫁さんもいるでしょう。そこには、「家のことは全て女性がやるべき」という風潮があります。
都会では夫婦共働きの生活スタイルが定着しつつあり、家事の分担をしている家庭もあります。
しかし、女性が働く場所が少ない田舎では、家庭は女性が守るもの。男が家事をするのは恥ずかしい(面倒くさい)という思想が未だ根付いているからです。
上手な対処法
夫に男女差別の思想が無ければ、一緒に協力して家事をやってもらいましょう。
その場にいる子どもたちに「これ持って行って!」と声をかけるのもいいかも。
そこで「男は座っていればいいんだ!」という男衆が居たら「みんなでやった方が早い」など、男衆に利点があることを訴えてみましょう。
台所で楽しそうにしていれば、「こっちのほうが居心地がいい」と集まってくる男衆も増えるかもしれませんね。
男尊女卑を感じる瞬間2:活躍している女性を拒否
女は男の
三歩うしろを
下がって歩け!
政治やビジネスの場で活躍している女性を見ると「生意気だ」という男性がいます。テレビなどでそのニュースが流れると、良い顔をせずにその女性を貶める発言をする人もいますよね。
私の場合、大学受験の勉強中に祖母から言われたのは「女が学を持ったら婚期が遠のく」という言葉。
女が女を卑下しているのはなぜなのか?自分が出来なかったことを成し遂げようとする孫が羨ましかったのかもしれません。 そして、嫉妬も混じっているのかもしれませんね。
また、「馬鹿な女のほうが可愛げがある」ともいわれました。物を知らず操作しやすい女性のほうが、気取らずに接することができるからなのでしょう。
これらも「女は男性の奴隷」と考える男尊女卑思想からきているといっても過言ではありません。
上手な対処法
嫉妬から女性蔑視をする人は、承認欲求が強いのかもしれません。
自分に自信がなく、認められたいと思っている人間は、まわりを下に見て自分を引き上げようとします。
その場合は、その人の良いところを褒めたり、興味がある話題を振ったり、困りごとを打ち明けたりして話をそらしましょう。
頻繁に起こることでなければスルーしてやり過ごせばいいのですが、日常的に女性へ敵意を向けている男性には、セクハラ!などの正論を振りかざしても無駄に終わります。違う話にすり替える方が早いです。
男尊女卑を感じる瞬間3:浮気は男の甲斐性だ!
根拠のない
マウンティング
「男の浮気は許されるけど、女の浮気はダメだ!」と、時代錯誤な言動をする男性もいます。
これに似たような考えや言動が以下の5つです。
- 条件は同じなのに男性のほうが出世が早いor採用される
- 30才を越えたのに子どもができないの? という言葉
- お茶出しなどの雑用は女性の仕事
- 女性は土俵に上がれない&神輿に参加できない
- 女なのに料理や掃除ができないの?という謎すぎる問い
これらは、ナチュラルに女性を下に見ている考えからくる言動です。
その根底にあるのは「女性は子どもを産んで一人前」という考え。子どもを産んで育てるのが女性の仕事だと思っているから、出世や採用が難しくなり、重要な仕事より雑用を押しつけられるのでしょう。
また、子どもを産まない女性を「役立たず」と思い込んでいるのが透けて見えます。
また、相撲や神輿は日本古来の催事なので、穢れ(生理)がある女性は参加させられないという慣例。これも、女性蔑視といえるでしょう。参加できても「危ないから」という理由で裏方に回されたりしますよね。
理解不能な「女なのに」という考え
「女なのに」という理解不能な決め付け
「女なのに料理や掃除ができないの?」というのは、なぜなのか。
女性は生まれた瞬間から家事の技術が身に付いているとでも思っているのでしょうか。そして、男性には料理や掃除ができないのでしょうか。
最大の難問は「女の浮気はダメだ!」というもの。
浮気は男性でも女性でも、してはいけないことなのです。民法では「不法行為」とされ、損害賠償の対象になる行為。慰謝料請求の対象になり、社会的な信頼を失ったり家族を失ったりするのは男女共通です。
上手な対処法!?
この事例に関しては、上手な対処法はありません。
この考えを根底に持っている人は女性差別だけでなく、さまざまな障害を持っている人に対しても差別思想を持っているかもしれないからです。
女性を下に見るのを「あたりまえ」と思っている人からは、距離を置いた方がいいでしょう。
逃げるが勝ちです!