感染症は身近な病気!感染症の種類と症状
感染症とは
病原体が体に侵入して、症状が出ることを感染症といいます。
病原体は、ウィルスや細菌、真菌、寄生虫など、大きさや構造によって分類されますが、一言でいうと「病気を引き起こす小さな生物」です。
感染症には、風邪やインフルエンザのように「人から人にうつる」ものと、破傷風のように「人から人へはうつらない」ものがあります。
また、感染してすぐに症状が出るケースもあれば、感染しても無症状で終わるケースもあるので、「自分は感染症だ」という自覚がない人は他人へ感染させてしまうこともあり得るのです。
感染症の種類と症状
呼吸器感染症:インフルエンザ
インフルエンザウイルスが体に侵入して起こる感染症をインフルエンザといいます。
症状 | 発熱 / 鼻水・鼻づまり / せき / 悪寒 / 倦怠感 |
感染力が強いため短期間で感染が拡大するので、冬の流行前に予防接種をしている人も多いでしょう。
潜伏期間は1~3日程度、その後軽症で回復する人も多い病気ですが、高齢者や免疫力が低下している人は重症化しやすい傾向があります。
呼吸器感染症:RSウィルス
RSウィルスは、急性呼吸器感染症であるRSウィルス感染症の原因になります。
症状 | 発熱 / 鼻水・鼻づまり / せき |
乳幼児や高齢者の間で集団発生しやすい感染症で、生涯にわたり何度も感染を繰り返すので「1度かかったから大丈夫」といえない病気です。
潜伏期間は2~8日で、治るまでに7~12日程度かかるでしょう。
入院治療をすることも多いのですがワクチンや特効薬が無いので、対処療法で乗り切るしかない感染症なのです。
呼吸器感染症:溶連菌感染症
主にA群溶血性レンサ球菌(溶連菌)という細菌によって起こる感染症を溶連菌感染症といいます。
症状 | 発疹 / 発熱 / せき / 倦怠感 |
溶連菌自体は鼻やのどにいる菌ですが、呼吸器や皮膚から感染すると、敗血症やリウマチ熱、腎炎などの合併症を引き起こす場合がある感染症です。
さらに、溶連菌が血液や筋肉に入ると、手足の激しい痛みや腫れが起こり、重症化すると壊死やショック症状からの死を引き起こします。
そのため、溶連菌は「人食いバクテリア」ともよばれているんです。
ウィルス性胃腸炎:ノロウイルス
感染力の強いノロウイルスは、ウィルス性胃腸炎の原因として知られています。
症状 | 嘔吐 / 下痢 / 腹痛 / 発熱 |
ウィルスは食品だけでなく、感染者の嘔吐物や便にも大量に含まれているため、二次感染を引き起こしやすい病気です。
潜伏期間は1~2日程度、その後症状が出ても一般的に2~3日で良くなりますが、高齢者や体が弱い人は重篤になる危険もあるため注意が必要でしょう。
細菌性胃腸炎:大腸菌感染症
0-157などの強い感染力を持つ食中毒の原因、腸管出血性大腸菌による感染症を腸管出血性大腸菌感染症といいます。
症状 | 下痢 / 腹痛 / 発熱 |
「感染症に関する法律」で3類感染症に指定されており、0-157のほかに026や0111などの腸管出血性大腸菌が存在します。
腸管出血性大腸菌に汚染された飲食物を口にすると、3〜5 日の潜伏期を経て激しい腹痛を発症し、水っぽい下痢を繰り返すことが多く、血便が出ることもあるでしょう。
高齢者は溶血性尿毒症症候群になりやすく、脳症を引き起こしやすいため、注意が必要です。
さらに、後遺症が残る可能性もあり、最悪の場合、死に至ります。
感染症は種類によって流行る季節が違う
病気の流行時期は年によって変わる場合もありますが、多くの場合、以下の季節に流行ります。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
インフルエンザ | ← | ||||||||||
RSウィルス | ← | ||||||||||
溶連菌感染症 | ← | ||||||||||
ノロウイルス | ← | ||||||||||
大腸菌感染症 |
感染症は身近な病気なので1年を通して感染対策をしなければなりません。
そして、病気の種類によって感染の経路が違うこともあるので、予防するために4通りの感染経路を見てみましょう。
感染症の感染経路は4通り
1.接触感染
接触感染とは、上記の接触で病原体が口などから付着することによる感染のことです。
病原体に汚染された食品を食べたり、病原体が付着したものに触れたり、病原体を含む汚物・嘔吐物、血液を介して体内に侵入します。
2.飛沫感染
飛沫感染とは、感染源の人の直径0.005mm以上の大きさの飛沫がかかって感染することです。
水分を含むので、届く範囲は感染源から1~2m程度と言われています。
3.空気感染
空気感染とは、飛沫の水分が蒸発して直径0.005mm以下の粒子になり、空気中に浮遊した病原体を吸い込むことで感染することです。
もとは飛沫から発生しているので、飛沫核感染ともよばれます。
4.昆虫媒介物感染
昆虫媒介感染とは、動物や昆虫を媒介として感染することです。
蚊やハエなどの害虫が伝播することが多いので、昆虫媒介感染とよばれますが、ネズミや犬・猫などのペットが媒介することもあります。
感染症予防には免疫力アップが大切!
免疫力とは
免疫とは、ウィルスや細菌などの病原菌や体内の細胞が突然変異して発生するがん、さまざまなストレスから体を守ってくれる防御システムです。
免疫細胞は体の中をパトロールして悪者(病原体)を捕らえたり、攻撃して排除する警察や軍隊のような役割を担っています。
たとえば、その免疫力が先天的に無い「免疫不全症」という病気の人たちは、外敵から身を守れないので、無菌室での生活を余儀なくされます。
私たちが外で生活できるのは、免疫が正常に活動しているからなのです。
免疫力をアップするには
1.体を温めて血のめぐりを改善する
体温を36.6℃前後に保つと、血管の流れが良くなり新陳代謝も活発化し、自律神経も正常化するので免疫力がアップします。
反対に体温が下がると、血管が縮んで血液の流れが悪くなり、排泄機能の低下やアレルギー体質などを引き起こしやすくなるんです。
最近ではエアコンの普及などで体温の調節機能が働くなり、低体温の人が多くなっているので、肩こりや体調不良、疲れが取れないといったことを訴える人も増えてきました。
積極的に体温を上げて血のめぐりを改善し、免疫力をアップさせましょう。
入浴はすぐにできる体温アップ法!
2.睡眠の質を上げて生活のリズムを整える
免疫細胞は人の睡眠中に強化されるので、睡眠の質が高い人やグッスリ8時間以上寝る人は、免疫力が高いといえます。
アメリカの研究では「8時間以上眠る人より、睡眠時間が7時間未満の人は3倍も風邪を引きやすい」という結果がでました。
これは、睡眠中に分泌される成長ホルモンが関わっているのかもしれません。
成長ホルモンは深く眠ったタイミングで大量に分泌され、傷んだ細胞の修復や疲労回復に役立つものです。
睡眠の質を上げて8時間以上眠れるようにすることで、免疫力は高まるでしょう。
睡眠の質を枕で上げる!
3.乳酸菌で腸内環境を改善する
免疫細胞は小腸の中に多く集まっており、その数は免疫細胞の50~70%といわれています。
その免疫細胞は腸内環境を整えることで活発化して、病原菌やウィルスを体に侵入させることを防いでいるのです。
そのため、腸内環境を整えることが免疫力アップにつながるといえます。
免疫力アップには乳酸菌のサプリを!
そのほかにも、定期的な運動や禁煙、お酒を飲み過ぎないなど、自分でできることはいろいろあります。
生活習慣を少し改善するだけでも、今よりは免疫力がアップするので、できることから始めましょう。