布団の中に多いダニ。屍骸が多く溜まってる
家の中にいるダニの数はどのくらいでしょうか?正確に把握することは難しいと思います。そこで、ある害虫駆除会社が調査した結果をご紹介しましょう。ダニの数は季節や環境によって左右されるので、目安としてみてください。
ダニの生息場所 | 匹/1㎡あたりの数 |
マットレス | 69 |
枕 | 30 |
毛布 | 58 |
敷き布団(表面) | 100 |
敷き布団(中綿) | 100,000 |
防ダニ布団 | 16 |
畳(表面) | 700 |
畳(内部) | 50,000 |
じゅうたん(表面) | 500 |
じゅうたん(内部) | 110,000 |
ソファー | 162 |
ぬいぐるみ | 400 |
※全て 匹/1㎡あたりの数
ダニを駆除する方法は洗って高温乾燥させること
私達が眠るときに使う寝具はダニの住処です。そのダニが苦手とするのは、低湿度と高温。この状況を常に保っていれば、ダニの活動を抑制できます。
しかし、私達は眠っているときに汗をかいて湿度を与えているので、低湿度に保つのは難しいこと。そして、寝具をダニにとって苦手な高温にしてしまうと、私達が眠ることができません。さらに、フケやアカを寝具に落としてダニにエサを与えています。
つまり、人が快眠できる環境は、ダニにとっても快適な空間だということ。それに加えて、繊維が密集している布団は、身を隠すのに絶好の場所になっているのです。
寝具にいるのはチリダニとツメダニ
寝具に生息している多くは、チリダニ科の「コナヒョウヒダニ」と「ヤケヒョウヒダニ」だといわれています。このダニたちが好むのは、温度22〜28℃/湿度60~80%の環境です。寝具だけでなくカーベットやじゅうたん、ソファー、畳、衣類、食品などにも生息しています。
チリダニのフンや屍骸はアレルゲンになり、アレルギー性結膜炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など、通年性のアレルギー疾患を引き起こす原因になってしまうのです。
そして、このチリダニたちをエサにするのがツメダニ科の「ミナミツメダニ」です。ツメダニは、人を刺してかゆみを引き起こします。
ダニが生息できない高温の世界
ダニは60℃以上の高温だと死滅するといわれています。
ある研究では「コナヒョウヒダニをビニール袋に入れて50℃に加熱。すると10分以内に死滅した」という報告も上がっています。
気温35℃の酷暑日より、日本人が好むお風呂の温度40~42℃より、使い捨てカイロの平均温度41℃より暑い温度は、私達も生活することができません。ちなみに、サウナの温度は80~100℃といわれているので、ここならダニも死滅するでしょう。
ダニは湿度が低いと活動停止
ダニは湿度が50%以下になると活発に動けません。
そのため、繁殖を抑えることができます。しかし、湿度が上がってくると再び活動を始めます。平均湿度が60~70%の多湿といわれる日本では、低湿度に保つのは難しいでしょう。
季節別ダニ対策|発生・繁殖・被害の時期
5~7月はチリダニの繁殖期
室内に生息するチリダニも、季節によって活動内容は違います。
本格的に発生するのは5~7月。これは、春になり暖かくなってくるとチリダニも繁殖期に入るためです。温度が23℃を越えると、チリダニは約68.4個の卵を産み、その卵は約34日で成虫になるといわれています。温度が35℃を越える季節は、産卵する数が約48個と下がりますが、成虫になる日にちは半分の約15日。すごい繁殖力ですね。
7~9月はツメダニが人を刺す
チリダニを食べて繁殖するツメダニは、エサが増えてから活動が活発になります。そのため、7~9月になると人を刺して体液を吸うことも。刺されてしまうと、赤く腫れてかゆみが1週間ほど続くこともあるでしょう。
8~10月はダニ被害が最も多い
生きているダニは人にとって、そんなに有害ではありません。ダニの屍骸やフン、抜け殻がアレルゲンとなって、ダニアレルギーを引き起こすのです。
空気が乾燥してくる9月ごろになると、屍骸などが粉々になり空気中に舞い上がります。細かくなったダニアレルゲンは、皮膚に着くと皮膚炎を引き起こし、体内に侵入するとアレルギー性結膜炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状を引き起こすのです。
冬だってダニは繁殖してる!
室内にいるダニは、温かく湿った場所であれば季節に関係なく繁殖できます。特に、気密性が高いマンションなどでは、1年を通してダニは快適に暮らしているでしょう。
冬は、寒さと乾燥が気になる季節です。寒い空気を入れないように換気する機会も減り、加湿器で室内を潤わそうとします。そこは人にとって過ごしやすい環境ですが、ダニにとってもパラダイスなのです。
季節別の家庭でできるダニ駆除法
小さくて見えなくても、ダニは人やペットに害を及ぼす害虫です。少しでも数を減らしたいですよね。ダニの効果的な駆除法は「退治→除去→予防」の3ステップを行うこと。まずは、季節ごとのダニ対策を見てみましょう。
暖かくなる春はダニの繁殖を防ぐ
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雨の日以外は窓を開けて換気する
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雨が続く日はエアコンの除湿モードで湿度を下げる
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シーツや掛布団など、洗えるものは、少なくても週1回は洗濯する
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ダニのエサをまき散らさないように、掃除機はこまめにかける
暑い夏はダニ退治の本番!
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マットレスや畳、じゅうたん、ソファーなど洗えないものに扇風機などで風を送る
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敷き布団や掛布団、枕は天日干し
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押し入れも換気する
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洗えるものは洗って、掃除機で屍骸を除去する
秋や冬はダニ予防の季節
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少ない時間でも換気をする
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シーツや掛布団など、洗えるものは洗濯する
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ダニのエサをまき散らさないように、掃除機はこまめにかける
ダニ駆除アイテムを使って賢く対策
生きているダニは掃除機で吸えない
先述しましたが、ダニ退治の基本は「退治→除去→予防」です。
ダニを掃除機で吸い取ってしまおう!と思っても、生きているダニは繊維にしがみついて離れません。そして、掃除機が移動している間に内部へ入り込み逃げてしまいます。たとえ、掃除機に吸い込んだとしても、掃除機の中で生きているんです。
1.ダニを退治するアイテム
ダニを死滅させるスプレー
ダニ駆除の第1歩は、ダニを死滅させることです。そこでオススメなのが、スプレータイプのダニ駆除剤。ピレスロイド系のフェノトリンが有効成分になっていて、増殖抑制効果が約1ヶ月続く商品です。香り付きの物も、乾くとほとんど臭わなくなります。赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心して使えるのがいいですね。
ダニアーススプレー
ダニがいなくなるスプレー
布団乾燥機は安全で有効なダニ退治アイテム
ダニ退治と湿気を飛ばす効果がある布団乾燥機は、まさに一石二鳥のアイテムです。
ノズルタイプとマットタイプの2種類がありますが、効果が出やすいのはマットタイプ。しかし、セットに時間がかかるため頻繁に使用することが難しいかも。ノズルタイプは、ホースを布団の間に差し込むだけなので簡単です。使用頻度を上げればダニ退治に有効なアイテムです。
4位:パナソニック FD-F06J7/マットタイプ
衣類乾燥に便利なカバー付き&クツ乾燥用のアタッチメント付きです。
3位:SUNRIZE 布団乾燥機/ノズルタイプ
スタイリッシュだから出しっぱなしでもOK!使いたいときにすぐに使えます。マイナスイオン機能搭載なのも嬉しいですね。
2位:パナソニック FD-F06X2/ノズルタイプ
ナノイーをプラスしてくれるから、枕や掛布団、敷き布団の脱臭効果も!
1位:三菱電機 AD-X80/マットタイプ
マットで布団全体を素早く加熱。熱ムラが無いからダニを逃がさない!
2.ダニを除去するのは専用掃除機が◎
ダニを除去する掃除機は、布団の上をくまなく滑らせる必要があるので、扁平なボディをしていたりローラーが搭載されていたり、UV照射を採用していたりと、一般の掃除機とは機能が違います。クリーナーヘッドを取り換えるだけで、ハンディクリーナーとして使えるものもあるので事前に確認しましょう。
5位:ダイソン Dyson V7 Mattress
とにかくパワフルな吸引力が魅力のダイソン。特許技術のサイクロンは魅力です。2層に配置された15個のサイクロンが、微細なゴミを空気から分離して密室性の高いフィルターに閉じ込めるんです。だから、掃除をした後の空気が澄んでいるんですね。
4位:パナソニック MC-DF500G
紙パック式だからハウスダストを舞い上げず、ゴミを見ることなく捨てられます。ビートブラシ付きスムースパワーノズルが、約6000回/分の高速振動でホコリをかきあげて、薄いシーツの上からでもスムーズにハウスダストを吸い上げます。
3位:シャープ EC-HX150-N
進化した高速たたきの実力は、振動数が最大約12,000回/分というハイパークラス。さらに、高性能プリーツフィルターとAg+アレルディフェンスフィルターで、吸い込んだ微細なダニの屍骸やフンなどのアレル物質を99.99%以上キャッチして逃がしません。
2位:レイコップ RAYCOP RX
脱臭機能を搭載した最上位モデルです。約70℃の温風を吹きかけ、3分間で90%の湿気を取り除きます。ダニの繁殖しにくい環境をつくり出しながら、UVランプでダニの動きを抑制。さらに、ドライエアブローとホメスタイオン、脱臭オゾンで99%の除菌と90%の脱臭を実現しています。
1位:アイリスオーヤマ 強力ふとんクリーナーIC-FAC3
縦回転サイクロン気流と横回転サイクロン気流の2つで、ハウスダスト除去率は約98%以上に!超ワイドたたきパッドは、1分間に約6,500回の高速たたきを実現します。繊維の間に潜り込んだハウスダストとダニの死骸などを浮き上がらせます。ダニちりセンサーでキレイを確認できるのも魅力ですね。
3.放置アイテムで予防
殺虫成分が怖いときはシートタイプ
ダニを誘引して乾燥させ、閉じ込めてしまうのがダニ捕りシートです。化学性殺虫成分を使用していないから、肌の弱い方も安心して使えます。ソファーやカーペットの下、敷布団とシーツの間などに置くだけなので手軽に使えますね。
ダニ捕りロボ(ニッケン)
トプラン ダニ捕りシートDX
昔のダニ駆除法「布団叩き」は逆効果!
昔は、竹やプラスチックでできた「布団叩き」を使って、干した後の布団をパンパン叩いてから取り込んでいました。布団叩きを使った「騒音オバサン」なんて人もいましたね…… 実は、布団叩きを使って強く布団を叩くのは、ダニ対策として逆効果なんです。
「布団を強く叩くことによってダニを追い出す」と思っている人がいますが、生きているダニは衝撃から遠ざかろうと布団内部へ入り込みます。屍骸は衝撃で粉砕し、表面へ出てきて飛び散りやすくなってしまうのです。
布団のクッション性や断熱性などの機能を損ない、生地が傷む原因にもなります。布団叩きは布団の表面をサッとなでるように使うもの。表面の汚れを払い落とすのを目的として使いましょう。「叩き」なんて名前が付いているから、カンチガイしてしまうんですよね。