私が敷金を取り返せた理由|原状回復ってどこまで必要?画像アリ

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賃貸物件|退去の確認事項は3つ

賃貸物件を退去するときには、管理会社やオーナー立ち合いの元で退去確認を行います。その際に確認するのが3つの次項です。

1.家の中の荷物運搬は済んでいるか
2.鍵の返還
3.家の中の傷や汚れチェック

上記の「3.家の中の傷や汚れチェック」は、トラブルになりやすい次項なんです。それは、私たち素人に対して分かりにくい事柄だから。不当な高額請求や敷金の返還ナシ、請求の内訳が不透明などのトラブルを避けるために、原状回復費用を知っておきましょう

賃貸退去時に係わる原状回復費用とは

入居時に支払うお金の中に「敷金」という項目があります。これは、賃貸物件を退去するときの原状回復費用。入居時にあらかじめ払っておくスタイルが一般的ですが、一部の物件では敷金0というものもありますね。この場合も、退去時に原状回復費用として請求されます。

原状回復とはどこまで?

汚れや傷の程度は、人によって感じ方が違います。オーナー側は少しの傷でも回復を求め、住んでいた人は「このくらい傷は補修いらないでしょ」と費用を出すのを渋りますよね。こうした線引きが明確にされていなかったため、国土交通省は1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しました。

「原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。

簡単に説明すると

1.原状回復とは、借りた当時の状態に戻すことではない
2.普通に住んでいて、自然にできる汚れや損傷は入居者の責任ではない

この2点を明確にしたものが、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。

原状回復の負担はどっち?

では、普通に住んでいて自然にできる汚れや損傷とは、どのようなものなのでしょうか?ここでは、2018年5月に東京都が作成した「賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」から、具体例を見てみましょう。

家の部分や設備 入居者の負担 オーナーの負担
玄関の鍵 不注意で壊した・紛失 入居者が変わる際の鍵の取り換え
風呂・トイレ・洗面台
キッチンなどの水回り
水垢やカビなどの手入れ不足 トイレの消毒
エアコンや給湯器 不適切な使用で壊れた 経年劣化による交換・修理
壁(クロス)
  • タバコのヤニによる変色・臭い
  • クギ穴・ネジ穴(下地ボードの張替えが必要)
  • 結露を放置したことによるカビやシミ
  • 日照などの自然現象による変色
  • 画びょう・ピン穴(ボードの張替えがいらない)
  • 冷蔵庫やテレビ背面の黒ずみ(電気ヤケ)
床や畳
  • 引っ越し作業中などに付いた傷
  • 手入れ不足によるシミやカビ
  • 日照などの自然現象による変色
  • 家具によるへこみなどの設置跡
不注意で壊した 地震など自然災害で破損
柱や建具 ペットによる傷や臭い フローリングのワックスがけなど次の入居者に向けての準備

ほかにも項目はありますが、簡単にいうと「不注意や過失で壊した、汚した、紛失したものは入居者負担。経年劣化や次の入居者に向けての準備で、取り替えたものやクリーニングしたものはオーナー負担」ということです。

ちなみに、汚れや傷がひどい壁紙(クロス)やフローリングを張り替えた場合、一部の張替えなら全額入居者負担。全部張り替えた場合は、汚れていた部分(原則㎡単位)を計算して請求という方法になります。

私が敷金を取り返した経緯

部屋を借りる前から退去のことを考える

部屋を借りるとき、不動産屋の立ち合いの元で内見をします。その内見の際、部屋を見渡して傷を発見したら、修繕の有無を確認しましょう。修繕なしの場合、家賃を安くしてもらえたり、入居日を調整してくれたりするので、確認することは無駄ではないはずです。

私はいつも「修繕はしなくていいから、入居日を調整して欲しい」と要望を出します。

ほとんどの賃貸物件では「退去申請は1か月前に行う」という決まりがあります。退去申請は、次の物件が決まらないと出せません。(決まらないまま退去日になると、ホームレスになってしまいますよね) そして、新しい物件では「早く住んで家賃を入れて欲しい」とオーナーは入居日をせかします。そうすると、私たちには2~3週間の「家賃2重払い」の期間が生まれるんです。

この期間を少しでも無くしたいので「傷の補修はしなくていいから、入居日を1週間遅らせて欲しい」と、お願いしています。大抵、OKをいただけますが、この場合に必須なのは、入居前の写真を撮っておくことです。

実際の入居前の写真

上の画像は、以前に引っ越しをした際、内見のときに撮ったものです。ちょっと見にくいですが、壁のクロスに横線が入っているのが分かりますよね。実際には、結露か何かで壁紙がひび割れて剥がれているんです。

この部屋は内見に立ち会ってくれた不動産屋が管理をしていた物件なので、内見のときに撮ったクロス剥がれの写真を入居前にメールしておきました。

そして、月日は流れ…… 次の物件に引越すので退去する連絡をしました。その、退去の立ち合いのときに不動産屋兼管理会社からいわれたのが「クロスが剥がれていますね。入居者様のご負担になります」という言葉。

さらに、経年劣化と思われるキッチンの戸棚のネジゆるみや、玄関ドアの軋み、畳の張替えなどを見積書に記載し始めたんです。

私は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」のコピーを取り出して確認し出すと、担当者は「あれ、これは大丈夫かな」と独り言をいい出しました。そして、クロスは入居前から剥がれていたことを伝え、証拠写真を入居前に管理会社へメールしていることを伝えたんです。

結果は、敷金の全額返済。私たちが負担する原状回復費用はゼロでした。そのままスルーしていたら、敷金を取られてていたことでしょう。

敷金を取り返すために自分で出来ること

1.入居前に写真を撮っておく
(できれば管理会社へ入居と同時に画像を送信)
2.「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を
コピーして立ち合い時に持参
3.プロに相談する

1.と2.は必須事項ですが、「3.プロに相談する」というのも大切です。「今どき、原状回復費を水増し請求する会社なんてないでしょ」なんて思っていると、衝撃を受けることになります。なぜなら、立ち合い担当者には、いろいろな人がいるからです。

退去の立ち合い担当者は十人十色

何回か退去の確認を経験すると分かるのは、管理会社の立ち合い担当者のなかには、胡散臭い人がいること。

画びょうの穴1つでもクロス全体の張替えを要求してくる人もいれば、飼ってもいない犬の臭いを指摘してくる人。一方、引越しの際に付いた傷は引越し業者が修繕費を出すといっているのに「このくらい大丈夫ですよ」といってくれる人など、さまざまです。

立ち合い担当者の中には、原状回復の定義を勘違いしている人がいるかもしれません。そして、悪質な場合があるかも。それを防ぐために、入居者の方もある程度の勉強は必要です。トラブルになるのが心配な場合、プロに相談する方が安心ですね。

おすすめはコチラ!賃貸物件の退去プロが監修した「退去敷金返還マニュアル」。一人でも退去時の交渉ができるようになります。

私たち入居者は、借りている物件を大事に使って手入れをしなければなりません。そして、必要な知識を身に付けることも重要ですね。その結果、原状回復費用負担を減らすことができるのです。

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