ペットボランティアが感じた災害避難の難しさ|飼い主マナーが大切

つぶやき
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ペットボランティアとして活動

ペットボランティア活動のきっかけ

2011年3月に東日本大震災が発生しました。災害ボランティアを募集していることを知り、私たちは登録をしようとしました。しかし、この登録所は善意の人たちで溢れかえっています。そこで、保護団体の人に出会った私たちは、ペットボランティアとして避難所を回ることになりました。

正直、災害ボランティアの経験は皆無だったので、何をしていいか不安を抱えていたんです。なので、専門分野で役に立てるということで一安心。まずは、状況把握を優先するため、2~3人が1組になり各避難所へ。私が派遣された避難所は、村の小さな公民館2つと中学校の体育館でした。

3ヵ所の避難所を回って状況把握

飼い猫とノラ猫の区別

1ヵ所目の村の公民館に到着。犬はいませんでしたが、猫が自由に出入りできる状況でした。飼い猫もノラ猫も同じように食べ物を与えられ、まだ寒い時期だったので猫たちは室内に入り、畳の上でくつろいでいました。

都会とは違って、完全室内飼いの猫はいません。猫の飼い主を探すと「うちもエサをやっている」と言い出す人が多数。しかし「どの猫にエサをやっているのかは分からない」「みんな一緒に食べている」という感じでした。

当然、予防接種や去勢・不妊手術の来歴もなし。飼い猫とノラ猫の区別がつかず、「飼い猫として情報をあげていいのか?」といった状況です。

飼い主マナーのせいで避難所を追われた人がいた!

2ヵ所目の公民館も同じような環境でした。しかし、ここで耳にしたのは「避難者が移動している」ということです。猫の排せつ物のニオイがきつく、それを嫌がった人。自由にされた犬に、子どもが襲われることを危惧した人たちがほかの避難所に移動していました。

そこにいた飼い主たちは、支給された人間の食べ物を猫・犬におすそ分けして、後は放置していたのです。

飼い主以外の至極もっともな苦情

3ヵ所目の体育館は、もっとひどい状況でした。

報道でみる避難所は、ギュウギュウに人が詰め込まれていましたが、その体育館ではスペースがあったように思います。そのスペースを縫うように、走り回る小型犬が3匹。学校の校舎には猫が出入りしているようでした。

まず、そこで聞かされたのは飼い主以外からの苦情です。

  • 犬の声がうるさくて眠れない
  • 子どもを威嚇してくる
  • 毛が舞い散って不衛生
  • 猫に食べ物を狙われる

など、至極もっともな苦情です。なかには「噛まれた」「引っかかれた」なんて問題もありました。

飼い主によるしつけの問題が大きかった

次に、飼い主に接したところ

  • 動物なんだから鳴くのはしょうがない
  • 室内飼いをしていたから外へは出せない
  • お風呂に入れないから毛が舞い散るのは当たり前
  • 子どもがちょっかいを出すから犬がうなるんだ

一通り聞くと、飼い主のしつけの問題が大きいことが分かりました。人と同じように、犬や猫もストレスが溜まります。非日常を過ごすうちに、攻撃的になってしまう場合もあるでしょう。

しかし、上記にあげたペットの飼い主の身勝手な言い訳は避難所では通りません。いや、日常生活でも非常識と捉えられるでしょう。普段からしつけやマナーに配慮していなかったのでしょうか?

飼い犬は最大の被害者。加害者は誰?

避難所になっている学校のグランドは、駐車場になっているケースが多く、子どもを遊ばせることができません。子どもがいない場所ならいいだろうと、ストレス解消のために犬をグラウンドで遊ばしているとき、犬が車に引かれてしまった。なんてこともあったようです。

この場合、最大の被害を受けたのは引かれてしまった飼い犬です。加害者は運転手なのか?危険な場所で遊ばせていた飼い主なのか?

ペットを受け入れる避難所が少ない理由

東日本大震災では逃げることが第1だった

今では広く認知されていますが、ペットを避難所に連れていく場合は

  • クレートやケージ、ペットフード、ペットトイレ、リードを持参する
  • 予防接種、ノミ・ダニ駆除は必須

なんてことは常識です。

しかし、災害が起きると「逃げること」に必死になります。ペットの常備品なんて、頭によぎらなかったのでしょう。私が回った避難所では、クレートやペットフード、常備薬を持参する人はいましたが、ペットトイレやシートを持ってない方も多く、「ノミ・ダニ駆除なんてしたことが無い」「鳴き声を止めるしつけなんてしていない」という方が多数でした。

ペットの飼い主がこのような認識なら、人が密集する避難所で一緒に暮らすのは難しいでしょう。

意識しづらい「動物アレルギー」問題

そして、対処しにくいのが動物アレルギーの問題です。

動物アレルギーとは、犬や猫、鳥、ハムスター、うさぎなどが原因になります。ペットの毛やフケ、糞尿、羽、ダニなどがアレルゲンとなり、人に鼻炎や喘息、皮膚炎などを引き起こさせてしまうのです。人によって症状は変わりますが、重症になると命に関わることもあるのがアレルギーです。

田舎に行くとアレルギーを軽く見ている人が多く、「このくらいなら大丈夫」「おおげさ」「アレルギーで死んだ人なんていない」なんて乱暴な意見を聞くことも。実際にアレルギーが原因で亡くなって人は存在します。それを知らないのか、自分に都合のいいようにスルーしているのでしょう。

 

動物アレルギーでなくても、動物を苦手とする人もいます。人が多く集まる避難所では、そうしたことも考慮しなくてはなりません。

ペットボランティアが考える「飼い主マナー問題」

この状況を見た限り、私たちは「飼い主のマナー・認識不足が問題」と考えました。東日本大震災後でも、ペット避難については同じように飼い主に不満を持っている人たちは多く、SNSやニュースで取り上げられることも多くなりましたね。

環境省から発信されている「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、「他の避難者への迷惑にならないように努めなければならない」と記載され、「飼い主の役割」としてしつけの重要性なども載っています。

 

あれから約8年が経過した2019年。10月に発生した台風19号でも避難が呼びかけられました。しかし、「ペットお断り」と掲げられている避難所が多く、ペットの飼い主は苦労したことでしょう。

これは、日頃の飼い主のマナーの悪さ(鳴き声を放置している。犬の散歩の際、フンを処理しない。など)を見ている人たちがとった自衛策かもしれません。

「ペットだって家族なんだ!」「人だけが助かればいいのか?」「薄情な奴らだ!」と声を上げる前に、飼い主のマナーを見直すことも必要です。

具体的な対策はこちら!

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