移住する前に知っておく!都会と田舎「学校の違い」匿名性は個性を伸ばす

いなか裏話
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移住しても大切なのは学校選び

家族の中に学生がいれば、学校選びも大切です。
都会には都会の、田舎には田舎の良いところも悪いところもあります。しかし、そんな状況は分かりにくいのが実情でしょう。

そこで今回は、都会と田舎の両方で小学校教諭を経験した、阿部さん(仮名)の話をお届けします。

阿部さんは「田舎体験セミナー」で“都会と田舎の違い”をテーマにお話をされていた女性です。
都会の小学校で教員をした後、結婚、出産を経て、ご主人の故郷へ移住しました。その後、田舎の小学校で教鞭を振るっているそうです。

田舎とは違って良い意味でクール!?都会の小学校事情

匿名性を重視する都会の学校

都会の小中学校では「匿名性」を大切にしていました。

匿名性とは、本人の身元を隠すこと。生徒の実名を明かさないことで、その生徒が不利益を被ることを防ぐことができます。
教育委員会からも「開かれた学校」「風通しのよい学校」への取り組みとして、自由に意見表明できる匿名性を導入するようにいわれていました。 


教員同士の会話でも、個々の生徒の話題は少なかったんです。それもそのはず、1クラス40人も抱えている状態では生徒一人ひとりの性格や個性は分からないから。匿名性を意識するというより、名前をいわれても「どの子の事だろう?」というのが本音ですね。


学期末の通知表は各学年の教員と摺合せを行います。
そのときも、課題の提出率やテストの点数などのリストが出席番号順に並べられているので、個人名など意識せず評価していました。

保護者と教員の温度差

このような状態でも、保護者からの相談や問い合わせは多いんです。
「いじめはないか?」「ほかのクラスより勉強が遅れているのではないか」「うちの子と○○さんの席を離してくれ」といった具合です。

何を根拠にいじめや勉強の遅れ、生徒同士の席順を気にしているのか分かりませんが、これが自分の子どもを大切に思っている親の心なのでしょうね。

いじめ問題への恐怖は常にありました。しかし、生徒の状況は授業態度から判断するしかなく、保護者会でいじめ問題が取り上げられても、「無い(分からない)」と答えるしかありません。

今でも〇〇からがいじめといったガイドラインも無いので、判断は難しい問題だと思っています。

田舎の小学校は密着度が濃い!

名前を聞いただけで家庭環境が分かる

たとえば、“みっちゃん”という名前だけで、「3か月後に弟が生まれる〇〇町に住む小学3年生の佐藤道夫君」という情報が頭をよぎります。
抱える生徒数が都会とは格段に違うので、一人ひとりに目を向けられる結果ですね。 

これは、良いことでも悪いことでもあると思います。


運動会で活躍した子や、テストで優秀な結果が出せた子は「すごいね」「えらいね」「うちの子にも見習わせたい」といった声を多くの大人からかけられることになるでしょう。
そういった子は自己肯定力が上がっていきます。

反対に、結果が残せなかった子は「どうしたんだ」「もっと頑張らないとね」などの声を掛けられるうちに、劣等感が増していきます。

田舎は伝達スピードが早く話題が少ないため、長期間にわたり同じことを大人から言われることになるんです。大人になっても「まだ、足は遅いのか?」「頭は良くなったのか」と言われると、うんざりするでしょうね。

保護者同士の強固な連携

田舎の小学校で勤務して驚いたのが、父親の積極的な育児参加です。
夜の懇談会には、積極的に父親が顔を出し、教員と保護者間での協力体制が強固なものになっていきました。

たとえば、A君が骨折して登下校に時間がかかると言えば「じゃあ俺が朝、車で送ってやろう」とBさんの父親が申し出ます。続いて「帰りは、私がお手伝いできますよ」とC君の母親が引き受けてくださるんです。
A君の両親は共働きで時間が合わないため、素直にお願いをしていました。


都会と違い、いじめや授業態度の問い合わせもありません。
これは、保護者同士や近所の話で、学校内の様子が分かるからでしょう。良いことも悪いことも隠しておくことが難しいのが田舎の特徴。匿名性といった言葉は無いに等しいんです。

「個性」が育つ都会「みんな一緒」が美徳の田舎

「自然豊かな田舎で育つ方が、個性が引き出される」と思っている人もいるでしょう。
しかし、これは間違いだと思います。

と、阿部さんは言います。

匿名性の中で育ってきた子は、試行錯誤して自分の居場所を探して作ろうとする。教師として悲しいことですが、つぶれてしまう子もいます。
しかし、得意分野を活かし、個性を発揮する子もいます。これは、まわりの固定観念が聞こえないから。

田舎の子は、「みんな一緒」「みんなで仲良く」が美徳とされています。
もちろん、それは素晴らしいことですが、人間の成長スピードには差があることや個性を尊重することを忘れてはならないのではないでしょうか。

とも阿部さんは言っていました。
子どもは学校の授業だけで成長するわけではありません。家庭や近所の環境を考えて、学校選びをすることが重要です。そして、子どもの性格や気質なども考慮しながら、声掛けすることも大切ですね。

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