オリンピックに間に合わない 「羽田連絡道路(仮称)」
多摩川では、羽田空港と川崎市を結ぶ新たな橋「羽田連絡道路(仮称)」を建設しています。この道路は、総事業費300億円をかけた巨大プロジェクトで、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までの開通を目指していました。
しかし、予想以上にある土砂の堆積や台風による作業中断などによって工事が遅れ、2020年度内の開通へと計画を変更しています。この遅れに伴い、約30億円の工事費増額が見込まれているそうです。
国際戦略拠点「キングスカイフロント」
川崎側のこのエリアは、国際戦略拠点にするべく「キングスカイフロント」とよばれており、今も開発されているエリアです。ライフサイエンス・環境分野の研究で世界的な成長が見込まれる場所として、多くの企業における世界最高水準の研究開発施設が集まり、そこから新産業を創出することを目標にしています。
見えているのに遠い場所 「キングスカイフロント」
この「キングスカイフロント」のキング(King)は「Kawasaki(川崎)Innovation(革新)Gateway(つなげる)」と、所在地である川崎市川崎区殿町からきているそうです。スカイフロント(Sky Front)は、「24時間国際空港化を果たした羽田空港の目の前にある」というところからきているのでしょう。
今現在キングスカイフロントから羽田空港までのルートは、ぐるーっと、産業道路から蒲田方面を迂回しなければいけません。ちょうどアルフェベットの「C」を描くようになります。その途中に架かる「大師橋」は混雑するので、「見えているのに遠い場所」なんです。
しかし、川崎市川崎区殿町の国道409号線と東京都大田区にある環状8号線を結ぶ「羽田連絡道路(仮称)」は延長871mの道路になり、格段に移動時間が短縮できるでしょう。両側に4.9m幅の歩道と自転車道がそれぞれ設けられようなので、多摩川からのサイクリングも楽しくなりますね。
テトラポットの役割は?
前置きが長くなりましたが、この「羽田連絡道路(仮称)」の作業をしている多摩川へ散歩に行ってきました。そこで見つけたのは、数多くのテトラポットです。ところで、テトラポットとは何のために設置するのかを知っていますか?
テトラポットとは、正式名称、消波ブロック又は波消しブロックとよばれるコンクリート製のブロック。護岸や水制のために、海岸や河川に設置されます。英語では「tetrapod」と表記され、日本でもテトラポットやテトラポッドとよばれますが、「テトラポッド」は株式会社 不動テトラの登録商標です。今回、「羽田連絡道路(仮称)」の工事に不動テトラが関わっているので、この名称を使わせていただいています。
テトラポットは現地作成!?
ズラーっと並べられたテトラポット。どこかで作られ、運んできたのかと思ったら大間違い!
テトラポットは、投入個所付近の空き地で作成されています。
こちらは、テトラポットの型枠です。
中が空洞になっているのが分かりますね。
この型枠の中に、コンクリートを流し込んでテトラポットが作られるんです。
今回は「テトラポット」がゲシュタルト崩壊しそうなので、ここまで。