「妊娠は病気じゃない」
使われるシーン
- バスや電車内で座っているとき老人から「妊娠は病気じゃない!図々しい」といわれた
- 夫に「妊娠は病気じゃない!晩御飯くらい用意してよ」と責められた
- 職場で「妊娠は病気じゃない!みんなも我慢してるんだから、ちゃんと働いて」/「自己管理がなっていない」といわれた
- 義母に「妊娠は病気じゃない!つわりなんて気の持ちようでしょ」といわれた
妊娠すると、つわりや体調不良、ホルモンバランスの乱れからナーバスになることがあります。ふだん通りに動けなくて当然のときに「妊娠は病気じゃない!」といわれると、怠けているようでツライ気分になりますよね。
そんなときに思い出して欲しいのが続きの言葉です。
その言葉の続き
1人で2人の命を守っているのだから、無理をしないで休みなさい。
「妊娠は病気じゃない」と、妊婦さんを責めるような態度を取る人は、人に寄り添えないかわいそうな人です。今ではマタハラという言葉で反撃することもできますが、田舎に行くとそれも難しそうですね。
特に夫や義母に言われてしまうと、この先の生活が不安になるでしょう。そういった人たちは「無痛分娩なんて甘え。愛情が育たない」なんて非科学的なこともいい出しかねません。
妊娠だけじゃない「~は病気じゃない」という言葉
実は妊娠だけでなく生理のときにも使われる「~は病気じゃない」という言葉。
男性には分からない辛さを毎月のように味わっている女性もいます。そして、同じ女性でも生理やつわりが軽い人は「病気じゃないんだから、しっかりして」と、叱咤する人もいるでしょう。
痛みや不快感には個人差があり、その状況によっても左右されるものです。他人にその辛さが分かるものではありません。だからこそ、医師からの診断書は有効な味方になります。
例えば会社に勤めている人の場合、「つわり」や「生理」で医師などから指導をうけると、休暇を取ったり作業の軽減を訴えたりすることができます。これは、男女雇用機会均等法や労働基準法第68条で定められていることです。
ステキな言い返し
「法で定められていることなので休暇をいただきます」と、ズバッと言えれば気持ちいいですが、その後の人間関係に悪影響が出る恐れもあります。
必要なら診断書を提出し、上司には正直にめまいや吐き気などの症状を話して、充分なパフォーマンスが発揮できないことを知ってもらいましょう。まわりには、体調不良といっておけばいいのです。
家族とは日頃から話し合うことが大切です。理解がないなら一緒に医師の説明を聞くのも効果的でしょう。
「女は父や兄に従い、結婚したら夫に従うもの」
使われるシーン
- 地域の会合で意見したら「女は黙って従え」といわれた
- 義父に「女は父や兄に従い、結婚したら夫に従うもの。意見するなんて百年早い」と怒られた
未だに根強い「男尊女卑思想」からきている考えです。
その昔、男性中心の世の中にしたかった江戸時代では、中国で派生した儒教の教えを取り入れました。それが、「男性を重んじ、女性を見くだす思想」すなわち男尊女卑です。
「女は父や兄に従い、結婚したら夫に従うもの」この言葉は「三従」といわれ、女性の従属性を示す言葉といわれています。
今では、性別に関係なく年齢に焦点を当ててた言葉となっていることもあり、若い男性にも「子は親に従うものだ」と、いっているのを聞きますね。
その言葉の続き
「三従」とは、女性が守るべきしきたりとされた三つの事柄です。その内容は、
一.実家で暮らしているときは、父や兄に従う
二.結婚したら夫に従う
では、三で従うのは……?
子どもです。
「年老いた後は子に従うのがよい」とされている言葉なのです。世間が分かってきて経済的にも力が付き、一家を支える家長になった子に従ったほうが、いい余生を迎えられるよ。と諭しています。
親世代で良いとされてきたものも、今の情勢ではアウトになることがあります。しかし、年をとるとそのことを理解できない(したくない)という心理が働くものです。ガンコに意地を張らずに、今のマナー・常識に合わせることが、いい結果をもたらすことがあるということなのです。
ステキな言い返し
「女は父や兄に従い、結婚したら夫に従うもの」といわれたら、「老いては子に従え」といってみましょう。
昔でいう「家督を譲った状態」なら、家長の妻に口答えするなんてもってのほかです。間違っていることはハッキリ否定しておくことで、今後の関係が変わってきます。
しかし、豊富な経験を持つシニアの判断が正しいこともありますよね。時・場所・状態によって、適切な対応をとりましょう。
「一姫二太郎」
使われるシーン
- ママ友との会話で「男の子だけでなく女の子も生まなきゃ」といわれた
- 親戚に「一姫二太郎が常識。早く三人目を作れ」といわれた
「一姫二太郎」を、「女の子が一人、男の子を二人生んでこそ一人前」と誤解している人がいう言葉です。
本当の意味
昔は、男の子より女の子のほうが夜泣きは少なく、体も丈夫だから「最初に女の子を産んでおいた方が、子育てが楽だよ」といわれていました。また、「母親のお手伝いをしてくれるは女の子。後に産まれた男の子の面倒を見てくれる」という考えもあったのでしょう。
なので、姉弟の二人兄弟でも「一姫二太郎」に当てはまります。
ステキな言い返し
実際に子どもを持つと、性別の順番など関係なく大変なことが分かります。
個々に個性があり、性格は十人十色です。男の子でも大人しい子や、女の子でもアクティブな子もいますよね。「一姫二太郎なんて迷信」と割り切って、子育てを楽しむのが言い返しにつながるのではないでしょうか。